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War on terror -アメリカのメディア統制-
前回の続きです。
ミラノ-ロンドンと周ってきて、かなり疲れました…
今日は、前回何を書きたかったのか思い出しながら…

僕が留学中に、アメリカがイラクを攻撃し始めました。
その頃にニュースを見ていて、かなり違和感を覚えました。
全ての番組で、米軍を「Hero」と呼び、国連無視に対する批判はありませんでした。

直感的に、これはなにかあると思いました。
戦争批判的な発言がはばかられる、そんな雰囲気がありました。
戦時下の国家とはこんなものかと思いました。怖いものを感じました。

やはり、メディア統制が行われていたようです。
戦時下のメディア統制に関しては、賛否両論だと思います。

ここではあえて詳しく議論しませんが、戦争と無縁の一般市民にはあまりにも刺激の強すぎるリアルな映像がテレビを通じて流れてしまうといけません。
しかし一方で、戦争相手国に対する敵意をあおったり、伝えるべき事実を必要以上に隠蔽したり、捻じ曲げたりする「大本営発表」的な報道はいただけません。
私はバランスが大事だと思っています。

さて、米国一般市民にとって(そして我々日本人にとっても)情報源は新聞とTVです。しかし、新聞やTVは政府やその他の圧力を受けながら、ニュースを作ります。
その圧力を受け入れるメディアと、抵抗するメディアとに分かれます。

どのメディアが言っている事が、より真実に正しいかを良く考えながら、
様々なメディアに目を通していくことが重要です。
当時のアメリカでは全ての報道が統制下に置かれていたため、国際ビジネスの教授などは、学生にはBBCのWebを見るように勧めていました。

しかし、こうした考えを持っているアメリカ人は少数でしょう。
多くの人は、メディアのニュースは「事実だ」と信じています。
選択された事実が、中立な報道だとはいえないんですが。。。

今回のイラク戦争を「肯定」したアメリカ人は、恐らくFOXなど一部の偏ったメディアの報道をそのまま真に受けてしまったのでしょう。
彼らを責めることは出来るでしょうか?私は違うと思います。
一人一人は、家族を愛する普通の市民です。

メディアの責任か、政府の責任か、私は政治学やメディア論を良く知らないので、その判断は出来ませんが、一つだけ思うことがあります。
それはメディアの力の恐ろしさです。

一般的に、米国人は国際感覚が非常に鈍い人々です。
パスポートを持っている米国人は、8人に1人くらいです。
ヨーロッパやアジアの白地図を見せて、国名を入れさせると殆ど間違えます。

私と一緒にMBAの国際ビジネスの講義をとっていた米国人学生は、他のクラスメイトに比べてInternationalに関心が高い連中でしたが、それでも白地図のテストでは大苦戦していました。日本人、ヨーロッパ人には楽勝だったんですが…

余談ですが、自分の学校の中国人たちも、他国には全く興味がない様子でした。
国際関係のクラスをとる中国人は常にゼロ。
いつも中国人だけで固まって、他国籍の人と交流を図る人は10%くらいでした。

あるとき、アメリカ人の友達に「海外旅行をしたことある?」って聞いたら、
「正確には海外じゃないけど、テキサスに行ったことがあるよ」って…
ま、中西部から見れば確かにテキサスは異文化情緒がありますがね…

アメリカ人の感覚では、アメリカが世界です。
だからMLBのチャンピオンは、「ワールドチャンピオン」なんでしょうか。

最後に面白い統計を、NYC出身のクラスメイトが教えてくれました。
教育水準とブッシュの支持率が、負の相関関係にあることが分かったそうです。
なんか、相当明確な相関なんだそうで。

アメリカが軌道修正をすることを祈りつつ…
しかし今日も、イラクでは一般市民が殺されています。
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by mkt700 | 2004-11-12 02:33 | 日記
ブッシュ政権第2期 -War on terror とは
War on terror = テロとの戦い
アメリカのメディアの殆どが、イラク戦争開戦時に使っていたフレーズです。
事実を隠す、非常に優れたキャッチコピーです。

いまはどうか知らないけど、CNNは今年の春にはIraqi invasionというサブタイトルをつけていました。「イラク侵攻」と訳すのが適当でしょうか。
知識層には半ば馬鹿にされているメディアのFOXは、ブッシュ政権支持のため、War on terrorを使い続けました。

アルカイダ掃討作戦をアフガニスタンでやった、ここまでが対テロリスト戦争。
フセインとアルカイダは、もともとは志を異にし、敵対する組織だったとか。
だとすると、イラク侵攻は9-11とは無関係です。
それが「イスラム共通の敵」としてブッシュが登場したために、呉越同舟、
却ってイスラム系国際テロ組織を結束させてしまっている。

日本のメディアを中心にしてますが、BBCなど海外メディアも見て、自分なりに考えている現状って、だいたいこんな感じです。違う事実もあるんでしょうが。。。

さて今回のBush再選では、イラク戦争が支持されたという見方が強いようです。
だとすると、ブッシュを指示した51%の米国民は、
1.アメリカの国益(または私欲)のためなら、他の国の人はどうなっても構わない
2.イラクで何が起こっているのか、国際世論がどうなっているのかを知らない
のどちらかでしょうか?

主婦層の間に「米国民がより安全に暮らすために、脅威になる国を叩き潰してくれる、強い政権に守られるから、ブッシュの方が安心だ」という意見が多かったとNHKで言っていました。

とんだ誤解です。

イラク侵攻の結果、米国はそれまで以上に敵を結束させ、米国に恨みを持つ人々の絶対数を増やし、たぶん歴史上一番テロの危険性に直面しています。
だから、入国審査の時に外国人を全員「犯罪者扱い」して、指紋を取り、顔写真を撮るという、非常にコストのかかる「安全対策」が必要になっているんです。

以前なら必要がなかった警備をしなければならないため、米国人たちは様々なコストを支払わされるわけです。野球を見るにもカバンチェック。もう鬱陶しいったらありゃしない。
警備員や警察などの雇用も増えますが、社会全体としてみるとコスト高な社会になるわけで、それは究極的には国民負担=米国経済の足かせになります。

ま、米国経済が沈んでいくのは勝手ですが、イラク人はどうすんだ?

大統領選の日を狙って、バグダッドでは20人のイラク人がテロリストに殺されました。
テロリストが見当違いな悪事を働いていて許せないのは当然です。

でも、こんなバグダッドに誰がした?って地元の人は思ってるでしょう。

毎日歩いていて、路駐している車がいつ爆発するか分からない。
実際に、友達や、親戚や、知っている人が爆死してしまう。
僕なら、頭がおかしくなりますよ。

ほんの少し、当事者意識を持って想像してみれば、分かることばかりです。

なんだろう。なんかやりきれない。
留学中、アメリカ人にとって、州が国で、アメリカが世界だって思っていると感じたことが何度もありました。でも、だとすると他の国って、どう思っているんだろう?文字通りのエイリアンの国なんだろか?他国の人は下等で、植民地にしてもいいとか思ってるのかなあ。

オレはそこまで米国人が身勝手だとは思えない。
知らない、関心が無いだけなんだと思う。

知らないことの怖さ、メディア統制の怖さについても考えちゃいます。
もう遅いから、明日からのミラノ出張から帰ってきたら、書いてみます。
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by mkt700 | 2004-11-04 03:05 | 日記
おいしいNY出張と大統領選挙
先週末、NY出張にいってきました。
簡単な打ち合わせと、展示会を見るだけという、いわゆるオイシイ出張です。

会社の方針で、「格安航空券」(正規割引チケットですらなく)を手配。
旅行代理店の人が「経営、苦しいんですか?」だって。(^-^;
大きなお世話じゃ。こういう努力の積み重ねでの過去最高益じゃい。

ま、それはそれとして、NYCでの週末。
仕事があるとはいえ、打ち合わせを終えれば基本的にはフリー。
自分の買い物をしながら、PC店などにも立ち寄り、一応「市場視察」
うーん。弊社の製品は苦戦してる。。。

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この写真は、チェルシーのあたりでみかけたもの。
こうやって、現職政権を堂々と批判するもんが街にあるってなかなかすげえ。
ま、これがどんな団体なのか知らないけど。

米国大統領選に関して、会社の同僚(米国人)にきいたところ、半々ってところ。ブッシュ支持派は、ケリーより経済政策が良いからって言ってた。(ん?)
ケリー支持派は、どっちかっつーと反ブッシュ。イラク戦争は間違いだと。

自分の考えでは、イラク戦争は完全な侵略だったと思います。
「持っているかもしれない危険な武器を使うかもしれない」
って理由で、国連決議まで無視して他国に攻め込んじゃいかんでしょう。

イラクも、国連を長期に渡って無視し続けたのもいかんけど、
やっぱ度が過ぎている気がします。

すごく嫌なのが、NBCとかで「米国人の犠牲者は累積1000人以上」って言うんですけど、イラク人の死者が15000人?くらいだってことを全然伝えないこと。更に言えば、イラク侵攻の際にイラク兵をじゃんじゃん殺しましたけど、彼らだって家族のいる人間です。
遺族の悲しみは「大量破壊兵器はなかったよね。ごめんね。でもフセイン居なくなってよかったじゃん!」じゃぁ済まされないはず。

一部にしろ米国に恨みを抱き、テロリストを支持するイラク人もでるでしょう。
(一般市民を巻き込むテロ行為はどんな理由であれ許されないですが)

最も重要なのは、大部分のイラク国民が最も爆弾テロの恐怖にさらされ、
毎日のように、米国兵の何倍もの犠牲者が出ているという事実です。

今回の大統領選挙は、米国民の良識が問われているような気がします。
もちろん、他の要素もありますけどね…
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by mkt700 | 2004-11-03 07:26 | 日記